2024年7月9日火曜日

2トン車に大型中華テールランプをつけました

私も常用便(固定のお客様)にて再び固定車両を預かる事になりました。かねてから妄想はあったのですが、またまたLEDテールランプに手を出してしまいました。

今回は日野デュトロ 2トンロング平ボディに大型LEDテールランプを取付ます

写真のとおり純正テールランプの幅は約33cmで、このサイズで気に入ったものを探すとなかなか好みのデザインがありません。

もうふた回り大きいとデザインの選択肢も広がるな と思いつつ通販サイトを見ていると、理想のLEDテールランプを見つけました。寸法もギリギリ入りそうですので購入してしまいました


ここからは取付のポイントを紹介します

まずは信号線の取り出しからです

前回同様ハーネスをほぐし 各信号線から分岐させていきます


デュトロの配線図が手元になかったので、テールランプ裏側より各ランプの配線色を追っていきます。結局この方法が一番確実なようです


配線に割り込ませる方法ですが、いつものとおりギボシターミナルにてカシメてつないでおります。この方法は機会があれば紹介したいと思いますので


スプライス端子にて接続する方法もありますが、私の場合この方法を好んでやっております。


すべての信号線から分岐できました。しっかり絶縁しコルゲートチューブに収めます


さてLEDテールランプ取付前に純正ランプの加工をします


写真のとおりブラケットに反対向きに純正ランプをつけ直し、このランプもボディに一緒に取付けます。これはウインカーのハイフラ対策と球切れ検知機能の回避のため必要になります。

写真右側:正規位置

写真左側:加工後


いきなりですがLEDテールランプ取付用に適当な鉄板を準備し位置決めし仮止めました。

写真下側の穴が純正テールランプ取付ボルトの穴位置になり、純正テールランプと重ねて取付る事になります。


こんなイメージで車体に取り付きます


どうでしょう?前回のキャンター同様きれいに収まりました。これなら取り外すのも簡単にできますね


参考に前回キャンターへの取付様子を案内しますので見比べてみて下さい

ドライバー ときどき整備士: 帰ってきた キャンターLED化計画 LEDテールランプ編 (kumayarou.blogspot.com)


とてもカッコいいです!思いのほかきれいに収めることができました


 点灯動画はこちらに案内させていただきますので、興味のある方はご覧ください。

2トン車に幅広中華LEDテールランプをつけました HINO Light Duty Trucks 300 Series LED tail lamp lighting test - YouTube


今回もですが、ハイフラ防止抵抗を入れる方法もありますが配線加工が煩雑になるため、あえて純正テールを活かす形でこのような取付けをしております。LEDテールランプ増加による消費電力増加も微々たるものですので既存の回路を焼くこともないでしょう。

しかしながら今時のトラックも回路が複雑になり、余計なものをつけると思わぬ誤作動を招いてしまいます。ディーラー工場では絶対に大丈夫とは言ってくれませんので、参考にされる方はあくまでも自己責任でお願いします。


2023年11月30日木曜日

トラックタイヤチェーンの改造 金属チェーン(はしご型)

 今年もそろそろ地方では 降雪の情報が入ってきましたね

いまでこそ冬タイヤはスタッドレスが常識になってきましたが、まだまだタイヤチェーンが活躍する場面はあります。そこで今回はタイヤチェーン巻きの省力化を狙ったフック改造を紹介します。

なおタイヤチェーン(以下チェーン)の巻き方や摩耗状態の点検等はネット上にたくさんありますので割愛します


新品のチェーンフックは両側ともアヒルフック(板フック)になっていますが タイヤ内側のフックは掛けづらいものです。特に2トンクラスの後輪は内外間の隙間が狭く フックを掛けるのもひと苦労です。そこでこれから紹介する改造によって、慣れれば手探りで内側フックが掛けられるようになります。

下記に動画のリンクを紹介しますので興味のある方はご覧ください

https://www.youtube.com/watch?v=cP21PJRPvNk


まずはタイヤにチェーンをかぶせてサイドチェーンの長さを確認し 長ければカットします


写真ではタイヤの内側をイメージして長さを確認しています。フックの先端に掛けたい位置を合わせ 余り2コマは後ほどカットします。


写真のように矢印部分をカットしアヒルフック・ストッパーを外した後 カットした右側をたたいてカシメてやります。



このような仕上がりになります。
カシメた反対側はやすりでバリ取りしてやります

言うまでもありませんが、ここまでの作業はバイス台にしっかり固定し作業しました。


完成したチェーンを巻いて 取付状態の確認です

このくらいだと あと一コマ詰めてぴったりですが、雪が積もっている場所でのチェーン巻を想定すると 長さに余裕があったほうが巻きやすいと思います。



よほど無謀な運転(急発進・速度超過等)をしなければ、改造部分が破壊される心配はありません。これならチェーンを外す時も簡単ですね


チェーンの巻き方はいろいろありますが、この改造フックなら チェーンをかぶせてアヒルフックを仮止めし、内側フックが掛けやすい位置までタイヤを転がし(3時か9時位置)クロスチェーンが中央にくるようバランスを見ながら本締めすることが出来ます。

また今年の冬もシーズンイン前にチェーン巻きが不慣れなドライバーさんに習熟させるのと、各車両のチェーン点検実施が年末年始の課題になります。


お約束

この改造はチェーン巻きの省力化を狙ったもので、参考にされる方はくれぐれも安全速度で運行される事を願います。またこの改造で改造部分の破壊により事故・車両への損傷には対応出来ませんのであしからず。

2023年9月10日日曜日

オルタネーター プーリー脱落寸前! キャンターオルタネーター交換再び

またまたオルタネータープーリー不良による交換作業です

当社東京営業所はキャンターの比率が多く、それにともないキャンターの故障修理件数も断トツに多くなっております。お陰さまでkumayarouも キャンターにはめっぽう詳しくなりましたが


朝出勤するとデスクにメモが
”OO号エンジン異音あります”

ちょうど午後出庫の車だったので車庫に状態を確認しに行くと・・・

エンジンを掛けると瞬間だけ異音がしますがすぐに消えてしまいます
そこでキャビンを上げてのぞいて見ると プーリーがすでに脱落寸前の状態で、もう少しでベルトカバー(メーカーではベルト外れ防止とうたっているが)を突き破るところでした。



キャンターのオルタネーター交換はすでに何台もやってますので 交換手順はもう慣れたものです。ただしこの車両は独サス(フロント独立サスペンション)で下からのベルトテンショナ等脱着作業が困難(無理)なので、すべて上からの作業になります。

まずは手前のダクト類を外しオルタネーターの通り道を確保します

その前にバッテリーターミナルを外すのは言うまでもありませんが



ブルーテックキャンター(4P10エンジン)以降 オルタ取付ボルトを外す場合、ベルトテンショナ(テンションプーリー)を外さなければボルトを外すことが出来ません。この脱着作業が余計なひと手間になります。

また上からの作業の為工具が入らず、クーリングファンを外してすき間を稼いでおります。リジッドアクスルなら下からテンショナが外せますので これも余計な手間になります

ベルトテンショナの脱着には緩め方向に固定できるピン穴があり、これに適当なピンを差し込む事でベルトの張りが解放されテンショナを脱着する事がが出来ます。

写真ではミラーで位置を確認してますが ほとんど手探りでの作業になります


前回の作業内容も貼り付けておきますね

ドライバー ときどき整備士: 2月 2022 (kumayarou.blogspot.com)


外れたオルタネーター



プーリーのせり出しを健気にも防いでくれていた跡が痛々しい・・・


みんなよく耐えたね


今回のようにドライバーさんからの報告、配車係さんからの連絡で路上故障を防ぐ事ができましたが、車両の異常を感じた時の連絡等の環境づくりが重要であると改めて思いました。
 

オイル交換等キャビンを上げるときにしか確認出来ない個所もありますので、ついでに点検確認するのがおすすめですよ

2023年9月9日土曜日

中華スキャナで故障診断 キャンター編

 最近の車両では故障診断機(スキャナ)が無ければ故障の原因追及が難しくなってます。従来の経験と勘に頼った自動車整備の時代はもう 過去のものとなりつつあるようですね。

逆に言えば原因をピンポイントで探ることが出来るので原因解明の近道になり、また内容によっては自家修理も可能であり外注修理費の圧縮にも有効ではあります。

そこで今回はkumayarouが普段使いしているスキャナで キャンター故障診断の様子を紹介します


タブレット型の診断機で日本語対応になっています



このスキャナはディーゼル車の診断に特化しており、国産メーカー4社もカバーしています

まずは診断のメニューよりFUSO(三菱車)を選択

車種はヨーロッパの排ガス規制カテゴリーに分類されているようです
ブルーテックキャンターを診断するのでユーロ5を選択


次にキャンターを選択
ちなみに戦士はファイター(中型クラスFK)だと思われます


エンジンチェックランプ点灯他、現在故障・過去故障を診るので
EEC燃焼機関制御ユニット(ECU)を選択


トラブルコードを選択

ちなみにデータリストを選択するとライブデータが確認でき、エンジン稼働時の各センサー類からの情報が細かに確認できます


まずは現在故障(ノーマルモード)の履歴から確認します


出ました

この車両では6個の現在故障が表示されましたが、これをもとにメーター内での表示された(今回はDPF再生ランプのオレンジ点滅)チェックランプ点灯の原因を探っていくわけです。


レポート機能もあるのでプリントして、エラーの内容と修理の履歴を記録し管理することが出来ます。

ひととおり診断個所の点検修理が済んだのち、故障履歴をクリアして青空整備の完成となります。


今回は診断結果により下記の点検修理をおこないました

ラムダセンサー脱着清掃・コネクタ清掃

DPF温度センサー(上流)脱着清掃

DPF差圧センサーパイプ(上流・下流)脱着・詰まり清掃

DPF差圧センサー清掃

☆EGR分解・バルブシャフト給油


BANZAI製やディーラーで使っているものには到底及びませんが不満もありません
ホビー程度に車いじりするにはちょうど良いのかも知れませんね。私も専用機を使ってまで突っ込んだ修理をする気はありませんので(笑)

EGRの車上分解給油は機会があれば紹介したいと思います


2023年9月2日土曜日

EGRユニット(EGRバルブ)の分解

 今回はエラーで交換したEGRバルブを分解してみました

エラーコードは2791-31(EGRバルブの制御電圧高)と27-15(EGRバルブのポジションエラー)で交換したものになります

スキャナで何回かエラーリセットしたものの、度々同じエラーでチェックランプが点灯するので交換にいたりました。




排気ガスの入口側です
写真では分かりずらいですが、排ガス流入量をコントロールするバルブが見えてます。

このバルブのシャフト部分の渋り(摺動不良)でエラーを返すのかも知れません


開けてみます

黒いカバー(のようなもの)を外します
トルクスねじで ねじロック剤が塗布してありますが、さほど固くなく緩めることができました。


中身はこんな感じです

ステッピングモーター(かな?)・アイドルギヤ・バルブ駆動用ギヤで構成されてます



構造は さほど複雑ではないですね

ギヤ部分は期待するほど やられてませんでした


以下写真はありませんが、ギヤを手で動かすと確かに動きが渋いようです。
モーターに直接電源を差しテストしてみましたが普通に動きます。しかしモーターを制御している作動電圧が何ボルトなのかデータがないので、この作動チェックが適正かはあやしいところです。

バルブの周りを清掃してシャフト部分に給油したところ、動きが軽くなったように感じます。
結局この部分が原因だったのでしょうか?他でも同様のエラーを吐いてる車両がありますので、次回は車両に取りついたまま分解給油してみたいと思います。

EGRバルブ・部品代も高いけど交換作業工賃も高いですよ









2023年5月18日木曜日

クーラーコンデンサーファンモーターの交換 その2 キャンター 30万キロ走行

今年も冷房本格稼働の季節が来ましたが、今回は先入観で良否の判断をするのは誤診を招くというお話です。

ドライバーさんから「クーラーのスイッチを入れると異音がする」との事で点検・確認すると、確かにコンプレッサーが入ると音の出どころはわかりませんが ”うなり音” がわずかですが聞こえます。

でもドライバーさんは車内でも聞こえるほどの異音って言ってたよな・・・と思いつつ、コンプレッサーを注文し後日修理する事にしました。




作業当日、車両を作業しやすいようスロープ板に乗せようとキーSWをオンにしたとたん ”ギャーーー” っと騒音に近いくらいの異音が出ています。


こっちかよ(コンデンサーファンモーター)と思い、早速部品の手配などしながら つくずく ”コンプレサー交換” のような大仕事にならなくて良かったと思いました。マニホールドゲージをつなぎ冷媒ガスを〇〇〇〇する準備を始めようとする直前の話です。


前回同様コンデンサーの取付をゆるめ、できた隙間からユニットを引きずり落とします。

キャンターのコンデンサーファンモーター交換は初めてでは無いので、作業もスムーズに進み昼には完成出来ました。

参考までに、前回の作業の様子は下記をご覧ください

ドライバー ときどき整備士: クーラーコンデンサーファンモーターの交換 キャンター 2015年式 43万キロ走行 (kumayarou.blogspot.com)


先入観が邪魔をして今回はもう少しで大仕事になるところでしたが、やはりドライバーさんからの報告はよく聞くものだと改めて思ったところです。


今回はユニット取り外し30分、モーター交換に10分、部品調達に3時間・・・でした

2023年2月7日火曜日

帰ってきた キャンターLED化計画 LEDテールランプ編

私も常用便で半年近く担当車両に乗っていると 何かと車いじりの気持ちが沸いてくるもので、以前から気になっていたLEDテールを取り付けてみました。


とりあえず完成写真からです

どこかで見たようなデザインですね


こちらは以前 日野4トンに取り付けた物の巾狭タイプになります

参考までに前回の様子をご案内します

電源(信号線)の取り出しです
私の場合、カプラーよりボディ側で取っています。このハーネスをほぐしLEDテール用配線を割り込ませていきます


今回もいちいち点灯させながら各信号線を確認しています


分岐させた配線は取り回しを考え十分な長さで取っています。後にコルゲートチューブをまいて防水カプラーにて仕上げました。


取り付けイメージです

車検対応ではないので、手間をかけずに元に戻せるよう考えるのが苦労したところです。

まずはテールランプを取り付けているブラケットを上下・前後反対(分かりずらいですね)に取り付けています。これは純正ランプを残し、ハイフラ・SAMランプ対策のためにあえてこうしています。

ひっくり返したブラケットにL型金具を抱き合わせ そこに純正ランプを取り付けました


分かりますか?自分のキャンターと見比べてみて下さい


LEDテールにもL型金具を取り付け 車両側ブラケットに取り付けます


ちょうどこのような取り付けイメージになります


完成


 今回は車検も近いので暫定的に取り付けましたが、次回はもう少し取り付け方法を工夫しSAMランプ対策もしていきたいと思っています。

つづく