2021年7月19日月曜日

デュトロ冷房点検

梅雨も明け、いきなり35度近くまで気温が上がり冷房の効きが悪いのも当前ですが、今回は”デュトロルートバン”冷房点検のお話です。

この車は決まったドライバーさんが乗る担当車ですが、いきなり冷えなくなったとの事でとりあえず風量と冷え具合を確認しました。点検したのは夕方でしたがまだ暑く、吹出口からは確かに冷たい風が出てきません。サイトグラスで確認すると泡がいつまで経っても消えず、冷媒ガスが少ないか、冷房サイクルに問題がありそうです。

 ちなみにデュトロルートバンのサイトグラスはグリル奥に見る事が出来ます。


冷媒ガスが漏れていないか見られる範囲で点検すると・・・


コンデンサーにオイルで汚れた形跡がありますが、ハンドルボックスのシャフトオイルシールから漏れて飛んだのか、コンデンサーコアから漏って汚れているのかよくわかりません。フィンも半分潰れていましたので冷媒ガスが十分に冷やされない(凝縮出来ない)事も関係ありそうです。



とりあえずマニホールドゲージ(以下ゲージ)をつないで圧力を確認します。



アイドリング状態で低圧1.5キロ、高圧10キロですので明らかにガスが少ないですね


圧力を”キロ”と表現したのは”Mpa”表記が分かりずらく今でもキロ換算で圧力を判断している為です。使用しているゲージも”Mpa”の目盛りがないし、なにより私も古い人間ですので・・・


冷媒ガスはサービス缶での補充になります。これだけ気温が高くてもサービス缶と低圧側がバランスしてしまいガスが入っていきません。こんな時、サービス缶を逆さにして液状のガスを直接注ぎこむ方はいませんよね


サービス缶の圧を上げる為に温めてあげたいのですが、車庫での作業ですので熱湯がありません。

そこで排気ガスの熱でサービス缶を温める暴挙に出ました。昔の先輩方は皆こうしてましたが決して推奨する方法ではありません。今ではガスの回収・ガス量を量って充填できるいい機械がありますが・・・



アイドリング時 Lo 3.5Kg/cm² Hi 21Kg/cm²


レーシング時(2000rpm) Lo 3Kg/cm² Hi 25Kg/cm²

サイトグラスは白濁したままですが、とりあえず冷たい風が出るようになりました。


が、これでは修理完了になりません。

低圧が高いのはおそらくコンデンサーにてガスが十分冷やされず(凝縮されず液状にならない)ガス状の冷媒がエバポレーターに流れ込み十分に気化されない(蒸発)為だと思われます。エキパン(エキスパンションバルブ)が開きっぱなしの為に低圧側が高いのでしょう。

ガス漏れの個所は特定出来てませんがコンデンサーは後に交換しなければならないと思ってますので、部品見積を依頼して本社の決済を仰ぐことになります。

それまで冷え具合がもつことを天気に祈るばかりです。


つづく 

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