2021年7月25日日曜日

パワーゲート操作不良の点検・修理 新明和すいちょくゲート

配車係さんより、「ゲートバン号が出先でパワーゲートが動かないみたいだけどどうしたらいいですか?」との連絡をもらい、私もドライバーさんに様子を訊いてフューズ切れの確認をしてもらいましたが、フューズ切れは無く復帰しない様子です。荷下ろし前でしたがその場ではどうしようもないので、何とかやりくりしてもらい入庫後に点検しました。


先ずは電源回路の断線を疑ってみます。

パワーゲート他、架装設備の配線は大体、車両の既存回路とは別回路になっている事が多く、配線を追いかけるのは比較的容易です。

この車は新明和の”すいちょくゲート”と呼ばれるタイプが付いており、ゲートの作動は油圧モーターで上下のみ作動させるシンプルな構造になっています。ゲートの格納はそれこそパワー(手動)で閉める為、いちいち開閉するにはちょっと面倒な車ではあります。


大元のフューズはバッテリーボックスの上についてます。大元と言ったのは、実はこの車、配線図にはない隠しフューズがあったのです。


メーンの175Aと制御回路用15Aフューズですが、いずれもフューズ切れはありません。
逆にメーンのフューズが飛んでいたら、ちょっと怖いものがありますが・・・



車内側にあるパワーゲートのメーンスイッチです。キャンターは運転席に座って右ひざ前にありますが、スイッチパネルを外すと奥に ” 隠しフューズブロック ” があり、そのうちのひとつがゲートのフューズになります。



ディーラー工場に聞いてもわからなかった隠しフューズです。ゲートは7.5Aフューズですのでもしゲートが動かなかったら、真っ先にこのフューズを確認するのが簡単だと思われます。
とりあえずフューズ切れはなかったので、ゲートリモコンスイッチケーブルの断線(これがゲートで挟んでよく断線するところです)等点検・確認しましたが断線もありません。



結論から言うとメーンスイッチの導通不良とわかりました。

ディーラーに部品を問い合わせると納期未定との事でしたが、とりあえずスイッチに刺さるカプラ部分で直結にして運用させれば問題ありません。ちなみにこの回路はアクセサリー・イグニッションで電源が来るので直結でも不自由はないのですが、やはり安全の為修理する事になります。


外したスイッチです。これならロッカスイッチなら何でもよさそうですが、原因追及の為バラして見ました。


1回路2接点の一般的なロッカスイッチです。付いているLEDはスイッチON時に点灯するパイロットランプです。



拡大して見ました。なにやら接点に汚れと異物が挟まってますが、これが直接の原因と思われます。しかしこの汚れ、どこから来たのでしょうか?


ペーパーで接点を磨いてやりました。普段頻繁に入切するスイッチではないのでスパーク痕もなく接点はきれいなものです。組上げには接点グリスを少量塗って元どおりに収めました。

車両へ取り付け作動の確認をした後完成となりました。


原因が分かってしまえば何という事も無いのですが、ここにたどり着くにはやはり経験の積み重ねが大事になってきますね。

私は前職バスの整備士をしておりまして、バスに限らず車が故障するとお客様に直接迷惑が掛かります。そこでなぜ故障したのか?故障原因を追及して同じ故障を防ぎたいとの思いで整備をしておりますので、部品の交換だけでは終わらないのです。


なーんちゃって









 

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