2023年9月10日日曜日

オルタネーター プーリー脱落寸前! キャンターオルタネーター交換再び

またまたオルタネータープーリー不良による交換作業です

当社東京営業所はキャンターの比率が多く、それにともないキャンターの故障修理件数も断トツに多くなっております。お陰さまでkumayarouも キャンターにはめっぽう詳しくなりましたが


朝出勤するとデスクにメモが
”OO号エンジン異音あります”

ちょうど午後出庫の車だったので車庫に状態を確認しに行くと・・・

エンジンを掛けると瞬間だけ異音がしますがすぐに消えてしまいます
そこでキャビンを上げてのぞいて見ると プーリーがすでに脱落寸前の状態で、もう少しでベルトカバー(メーカーではベルト外れ防止とうたっているが)を突き破るところでした。



キャンターのオルタネーター交換はすでに何台もやってますので 交換手順はもう慣れたものです。ただしこの車両は独サス(フロント独立サスペンション)で下からのベルトテンショナ等脱着作業が困難(無理)なので、すべて上からの作業になります。

まずは手前のダクト類を外しオルタネーターの通り道を確保します

その前にバッテリーターミナルを外すのは言うまでもありませんが



ブルーテックキャンター(4P10エンジン)以降 オルタ取付ボルトを外す場合、ベルトテンショナ(テンションプーリー)を外さなければボルトを外すことが出来ません。この脱着作業が余計なひと手間になります。

また上からの作業の為工具が入らず、クーリングファンを外してすき間を稼いでおります。リジッドアクスルなら下からテンショナが外せますので これも余計な手間になります

ベルトテンショナの脱着には緩め方向に固定できるピン穴があり、これに適当なピンを差し込む事でベルトの張りが解放されテンショナを脱着する事がが出来ます。

写真ではミラーで位置を確認してますが ほとんど手探りでの作業になります


前回の作業内容も貼り付けておきますね

ドライバー ときどき整備士: 2月 2022 (kumayarou.blogspot.com)


外れたオルタネーター



プーリーのせり出しを健気にも防いでくれていた跡が痛々しい・・・


みんなよく耐えたね


今回のようにドライバーさんからの報告、配車係さんからの連絡で路上故障を防ぐ事ができましたが、車両の異常を感じた時の連絡等の環境づくりが重要であると改めて思いました。
 

オイル交換等キャビンを上げるときにしか確認出来ない個所もありますので、ついでに点検確認するのがおすすめですよ

2023年9月9日土曜日

中華スキャナで故障診断 キャンター編

 最近の車両では故障診断機(スキャナ)が無ければ故障の原因追及が難しくなってます。従来の経験と勘に頼った自動車整備の時代はもう 過去のものとなりつつあるようですね。

逆に言えば原因をピンポイントで探ることが出来るので原因解明の近道になり、また内容によっては自家修理も可能であり外注修理費の圧縮にも有効ではあります。

そこで今回はkumayarouが普段使いしているスキャナで キャンター故障診断の様子を紹介します


タブレット型の診断機で日本語対応になっています



このスキャナはディーゼル車の診断に特化しており、国産メーカー4社もカバーしています

まずは診断のメニューよりFUSO(三菱車)を選択

車種はヨーロッパの排ガス規制カテゴリーに分類されているようです
ブルーテックキャンターを診断するのでユーロ5を選択


次にキャンターを選択
ちなみに戦士はファイター(中型クラスFK)だと思われます


エンジンチェックランプ点灯他、現在故障・過去故障を診るので
EEC燃焼機関制御ユニット(ECU)を選択


トラブルコードを選択

ちなみにデータリストを選択するとライブデータが確認でき、エンジン稼働時の各センサー類からの情報が細かに確認できます


まずは現在故障(ノーマルモード)の履歴から確認します


出ました

この車両では6個の現在故障が表示されましたが、これをもとにメーター内での表示された(今回はDPF再生ランプのオレンジ点滅)チェックランプ点灯の原因を探っていくわけです。


レポート機能もあるのでプリントして、エラーの内容と修理の履歴を記録し管理することが出来ます。

ひととおり診断個所の点検修理が済んだのち、故障履歴をクリアして青空整備の完成となります。


今回は診断結果により下記の点検修理をおこないました

ラムダセンサー脱着清掃・コネクタ清掃

DPF温度センサー(上流)脱着清掃

DPF差圧センサーパイプ(上流・下流)脱着・詰まり清掃

DPF差圧センサー清掃

☆EGR分解・バルブシャフト給油


BANZAI製やディーラーで使っているものには到底及びませんが不満もありません
ホビー程度に車いじりするにはちょうど良いのかも知れませんね。私も専用機を使ってまで突っ込んだ修理をする気はありませんので(笑)

EGRの車上分解給油は機会があれば紹介したいと思います


2023年9月2日土曜日

EGRユニット(EGRバルブ)の分解

 今回はエラーで交換したEGRバルブを分解してみました

エラーコードは2791-31(EGRバルブの制御電圧高)と27-15(EGRバルブのポジションエラー)で交換したものになります

スキャナで何回かエラーリセットしたものの、度々同じエラーでチェックランプが点灯するので交換にいたりました。




排気ガスの入口側です
写真では分かりずらいですが、排ガス流入量をコントロールするバルブが見えてます。

このバルブのシャフト部分の渋り(摺動不良)でエラーを返すのかも知れません


開けてみます

黒いカバー(のようなもの)を外します
トルクスねじで ねじロック剤が塗布してありますが、さほど固くなく緩めることができました。


中身はこんな感じです

ステッピングモーター(かな?)・アイドルギヤ・バルブ駆動用ギヤで構成されてます



構造は さほど複雑ではないですね

ギヤ部分は期待するほど やられてませんでした


以下写真はありませんが、ギヤを手で動かすと確かに動きが渋いようです。
モーターに直接電源を差しテストしてみましたが普通に動きます。しかしモーターを制御している作動電圧が何ボルトなのかデータがないので、この作動チェックが適正かはあやしいところです。

バルブの周りを清掃してシャフト部分に給油したところ、動きが軽くなったように感じます。
結局この部分が原因だったのでしょうか?他でも同様のエラーを吐いてる車両がありますので、次回は車両に取りついたまま分解給油してみたいと思います。

EGRバルブ・部品代も高いけど交換作業工賃も高いですよ