2020年9月24日木曜日

クーラーコンデンサーモーターの交換 (コンプレッサー交換の巻) ジェネレーションキャンター編

 前回の続きです。

そういえばドナー車のコンプレッサーきれいだったなあ、と思いつつ修理車のコンプレッサーをながめていると見つけてしまいました。


マグネットクラッチあたりに金属粉が・・・

クーラーベルトを外しプーリーをまわしてみたところやはりベアリングがダメになっており、空回ししてもゴロゴロしてスムーズにまわりません。このままではそのうちにベアリングがバラバラになり焼きついてしまいます。

見てしまったものはしょうがありません。ついでにコンプレッサーも交換することになりました。実はキャンターのコンプレッサーは何台か交換してますので、今回のコンデンサー脱着に比べたら慣れたものです。

真空引きをし少し冷媒ガスを入れ漏れを確認した後、規定量のガスを入れ完成となりました。


おまけ

外気温があまり高くない時は冷媒ガスがなかなか入りませんが、バケツに熱湯を張りそこにサービス缶(ガスボンベ)を入れてあげるとたっぷり入りますのでご参考までに。(あまりおすすめはしませんが・・・)

おわり  

2020年9月21日月曜日

クーラーコンデンサーモーターの交換 ジェネレーションキャンター編

 夏も終わりだというのに・・・

ドライバーさんが、クーラーからぬるい風しか出ないとの事でディーラーにて点検してもらったところ、コンデンサーファンが回っていないのでモーターの不良と診断されたそうです。

帰庫後症状を確認してみると、とりあえずファンは回っていましたが回転が弱々しい感じです。その場でディーラーに問い合わせたところ部品が納期未定であることと、工賃込々で8万円くらいとの回答でした。

年式と走行距離・修理金額を考えると本社の決裁が下りるとは思えません。ドライバーさんと配車係に泣かれ私も泣く泣く自社修理をする覚悟をしたのでした。

と、前振りはこのくらいにして修理内容の紹介です。


フロントグリルを外すとコンデンサーユニットAssyが見えます。ファンユニットはコンデンサーの上にボルト4本で留まっているだけなので簡単に脱着できそうですが・・・


取り付けボルトがコンデンサー側にスタッドで固定されているため、ナットを外してもスタッド分上に持ち上げなければファンユニットを取り外すことが出来ません。この車の場合上物が邪魔をしてその隙間さえ稼げないので、結局コンデンサーユニットを取り外してのモーター交換になりました。


作業しやすいようにバンパーを外します。パッと見コンデンサーユニットは簡単に脱着できそうですが、後に大変な作業が待っていたのでした。



コンデンサーユニットAssyはボルト4本で留まっていますが、写真のように見えている2本のほかにメーンハーネス下側に隠れて残りの2本があります。このままでは工具が入りませんのでハーネスのクランプを外し、他にもブレーキパイプや低圧ホースなどの取り付けを緩めやっとのことでボルトを外すことができました。

ここまで格闘すること約2時間。メーカーの設計者は修理する時のことまでは、まるで考えていないようなレイアウトです。

今から取り付け時の大変さに思いやられます。


コンデンサーユニットが外れたところです。切り離したパイプの取り付け部分にほこりが入らないよう塞いでやります。

冷房修理で冷媒回路を切る時は本来なら冷媒ガスの回収が必要になりますが、そんな高価な装置はありませんので(以下省略)

例によって今回もドナー車からの部品はぎ取りで賄っています。


組み上げる前にモーターが回るか現車につないで確認をしました。組み上げて作動しなかったら悲しすぎますので・・・
ちなみにコンデンサーファンの点検はエンジンを掛けなくても動作確認ができますが、電源かモーター不良かを見極めるのにはやはり難しいものがあります。

あとは元どおりに組み上げてガスを入れれば完成ですが、真空引きをしている間ふと思うことがあり作業を中断してしまいました。

つづく

2020年9月6日日曜日

エアコン吹き出し口切替不良の修理 ブルーテックキャンター

 9月になってもまだまだ暑い日が続いてますが、タイトルのとおり何台か出ている不具合と修理について紹介します。

症状はエアコンの風を全開にしても風量が弱く冷えないとの事でした。

現車を確認してみると、吹き出し口の切替ダイヤルが正面の吹き出し口の位置までまわりません。ユニットのダンパーが引っかかっているか、コントロールケーブルの動きが渋いのか、とりあえず簡単に点検できる個所から確認していきます。

先ずはセンターコンソール辺りをバラしてエアコンの操作パネル辺りがどういう状態か確認します。


とても簡単に点検できる場所じゃないですね


写真では分かりずらいですが、ダンパーのコントロールケーブルが”くの字”に曲がっていました。原因はこのケーブルの折れ曲がりの為、ダンパーを切替切れなかったと思われます。この状態での修正(ケーブル曲げ伸ばし)は作業スペースが狭く困難ですので、操作パネルをバラし作業性をよくしてやります。

風量切替スイッチの両脇4か所のビスを外し、上下6か所のツメで止まっている部分を広げて
ダイヤル部分を外します。



ダイヤル部分が外れると基板が出てきますが固定はされておらず、尚且つプッシュスイッチのリターンスプリング(4本)が抜け落ちてしまいますので注意が必要です。


操作パネルを裏から見たところです。


白いカム(のようなもの)にケーブルの先端がはまっているだけです。この状態でもケーブルを修正することはできないので、カムを外しケーブルをフリーにして作業性をよくしてやります。


ケーブルの曲がりを伸ばしペンチでつまんで切替具合を確認しました。特に摺動も渋くはなかったのですが、気休めにケーブルにシリコンスプレーを吹いておきました。


あとは元どおりに収め完成となります。また同じ個所でケーブルが曲がってしまいそうですが、ケーブルの取り回しに無理があるのかもしれません。

初めての作業でしたのでたっぷり2時間以上かかってしまいましたが、もしケーブルの交換が必要ならかなり大変な作業になるはずです。そうなる(壊される)前に、ドライバーさんからの情報収集も欠かせませんね。


おまけ

たまにはエアコンフィルターの掃除で涼しさアップ!!

これじゃあエバポを抜ける風も半減してしまいます。


ちなみにフィルターの場所は助手席前のパネルを外すと簡単にアクセスできます。(いすゞは面倒ですが・・)