2021年8月21日土曜日

廃棄バッテリーの活用について


結構夏でもバッテリー上がりは起こりますが、充電しても比重が上がらず廃棄するものが出たので、今回はその廃棄予定のバッテリーを活用してみたお話です。



いきなりタイヤチェーンの写真が出てきましたが、涼しくなったら修理(クロスチェーン交換等)するためにしばらく放置していた物になります。

屋外に捨てるように置いていたのでサビで真っ赤になっていますね。これをバッテリーの廃液できれいにしたいと思います。


チェーンがバッテリー液に浸るくらいの適当な入れ物に漬け込んで、少し置くと・・・

軽くすすぐだけできれいにサビが落ちていきます。ブラシでこすればもっときれいになったはずですが、目に沁みるので適当なところで引き揚げます。


水で十分流したあと防錆剤をたっぷり吹きかけて清掃完了です。

大した労力も使わずきれいになりました。
あとは広げてクロスチェーンを点検し、摩耗している部分があれば交換する事になります。



使用後の廃液はフタ付きの容器に入れ、また次回の清掃に使用します。

言うまでもありませんが、決してその辺にぶちまける様な事をしてはいけませんよ。



おまけ

バッテリーケースを半分に切ってみました。
構造がよくわかりますね。これをドライバー教育用に活用したいと思います。

バッテリーの液量などは日常点検時にドライバーが行うものですが、トラックの場合バッテリーが収まっている場所はシャシの外側・荷台の下で、24V仕様車は当然ですが2個縦向きについています。これでは奥側のセルの液量など点検できませんので、便宜上手前の液量だけは確認するよう指導しております。


暑い時期でもバッテリー管理を怠ると直接路上故障になりますので、日頃の点検はやはり大事ですね。




 

2021年8月9日月曜日

おまけ ブロアファンモーターの分解と考察

前回クーラーの風量が出ないとの事で、交換したブロアモーターをバラしました。

本来Assy交換になりますので、壊すつもりで分解していきます。

写真の上部がシロッコファンで下部がモーターユニットになります。赤い矢印部分にツメが4カ所あり、これを広げれば上下に分解できます。


シロッコファンが外れれば作業しやすいのですが、ファンを留めているナットがどうにも外れません。そこで無理やり爪を広げますが、適正な工具を使わなければケガの原因になるので注意が必要です。


分解できました。

ファンも外れればもっとバラせたはずです。



赤い矢印がブラシホルダー部分で黄色い矢印がブラシの残りです。ブラシが半分以上減ると寿命のようですね。


下の写真では赤い矢印がコンミテーターの摩耗部分です。黄色い矢印が精密ドライバーの先(2mm)ですので、約1mm弱摩耗している事になります。

仮にコンミテーターを研磨して新品のブラシを組んでも長持ちしなさそうです。


 私が前職でセルモーターのオーバーホールをしていた時は、状態によってはコンミテーターの研磨等(使用限度にもよりますが)再使用できるパーツは再生し組上げていました。

トラックの部品などはリビルトパーツにも限りがありますが、このようなファンモーターなどは廃車まで壊れることが無い場所なのかも知れません。

またベアリング等消耗品パーツ代と私の作業工賃を考えると、保証付きの新品Assyを購入したほうが結局安上がりになるのかも知れませんね。

クーラーコンデンサーの交換 デュトロルートバン

前回ガスの補充だけで追い出したデュトロですが、部品が来たので交換作業に取り掛かりました。じつはこのコンデンサー、日野に問い合わせしたところ在庫が無くバックオーダー1か月になるそうでしたがそんなには待てません。こちらでも修理屋さんに探してもらい ” ダイナ ” 用の互換品を手に入れる事がました。

デュトロの場合、目指すコンデンサーは右ヘッドライトの奥にありますので、コンデンサーにアクセスするにはグリルとヘッドライト・バンパーを外しての作業になります。


で、いつものとおり、いきなり途中の写真から始まります。

いつものように設備も無い野良整備ですが、雨が降る予報でしたので屋根下を確保しての作業です。通行人の視線が痛い・・・


コンデンサーが外れました。最初はユニットだけ外すつもりでバラしていきましたが、後の作業性を考えフレームごとおろす事になります。


バラバラになりました。

もしコンデンサーファンモーターを交換する場合、冷媒回路を切り離さず出来るのでしょうか?今から考えたくはないのですが、きっと大変な作業になるはずです。


外れたコンデンサーです。

今回のガス漏れの原因がこれかというと微妙な汚れ具合です。

スニソ(コンプレッサーオイル)も垂れるほど漏ってはいないので、組付け時には気休め程度にスニソを補充して組上げました。


湿気が多いので真空引きはいつもより長く引っぱってます。

ゲージにて負圧が戻らないのを確認した後、ガスの充てんになります。


外気温が高いわりにガスが入っていきません。サービス缶も冷たくなって霜が付いています。

そこで・・・


いつものサービス缶温め作戦です。

今日はポットのお湯で熱湯風呂につけてみました。


 ガスが規定量入ったところで冷え具合の確認です。

ガスが規定量入っているにも関わらず、サイトグラスを覗くと白濁が消えません。ゲージ圧はLoが3キロ、Hiが20キロ(アイドリング時)です。吹き出し口の温度を測ってみましたが外気温35℃で吹き出し温度(外気導入)が約20℃でした。体感的には十分涼しいのですがこんなものでしょうか?

コンデンサーファンは一生懸命回ってますので、走行中はもっと冷やされるのかもしれません。試しにコンデンサーに水をかけたところサイトグラスの白濁も消え、より冷たい風が出てくるようになりました。

車庫までの回送・試運転で十分冷えるのを確認し、作業の終了となりました。


いつものお約束ですが、このブログを参考にされ真似される方は、くれぐれも自己責任で作業を行ってくださいね。