2020年5月15日金曜日

エアコン不具合の点検について (再修理編)

昨年コンプレッサーのマグネットクラッチに行く配線修理をしましたが、再度断線しているようなので今回は配線を新たに引き直しました。

回路図で電源と信号線の流れを確認します。すべての電装機器はSAMコントローラーを経由しているのが回路図から読み取れます。

クーラー回路図

今回はプレッシャースイッチからマグネットクラッチ間の断線と分かっていますので、プレッシャースイッチの出口側(赤黄)から配線を引き直します。

プレッシャースイッチ

前回修理した個所よりさらにボディ側で断線してましたが、振動で振られる場所ではないのでやはり他に原因がありそうです。そこを修理しても必ず断線すると思ったので今回の配線引き直しに至りました。


結構狭くて作業がやりずらい場所ではあります。オルタネーターやコンプレッサーの交換も大変な作業になるのが想像されますね。(やる機会はないと思いますが・・・)


新線をつないでハーネスにタイラップ止めした後、試運転をして不具合がないのを確認しての完成となりました。


おまけ

SAMコントローラー7Cコネクター(青色)の12番(青赤)にマグネットクラッチ行きの電源が出ていますので、ここでも電源の点検確認は出来そうですね。





2020年5月13日水曜日

エアコン不具合の点検について (その2)

私の勤める会社ではキャンターの台数が多く、私もブルーテックキャンターを新車時から担当してます。これは昨年の話ですが時々クーラーが冷えなくなり、やがてまるっきり効かなくなってしまいました。症状としてはコンプレッサーのマグネットクラッチがつながらなかった為に冷えなかったのでしたが、原因が分かるまでかなり苦労したことは付け加えさせてください。

まずはトラブルシュートからです。(整備関係のかたは飛ばし読みしてください)

マグネットクラッチ(以下M/C)に電気が来ない場合、次の原因が考えられます。

① 冷媒ガスが入っていない
② プレッシャースイッチ(冷媒回路の圧力を見ている)の不良
③ M/Cのコイル断線
④ オルタネーターL端子から電気が来ない(ノーチャージ他)
⑤ 電気回路の断線
⑥ コントロールユニット(操作パネル含む)の不良

以上簡単に点検できるところから攻めていきますが今回の場合、結論から言うと⑤の断線でした。

断線個所はM/Cに行く配線の途中、ハーネスがシャシにクランプ止めされている先のハーネス中で断線してましたので、作業性をよくする為手前のホースを外してます。

ターボチャージャーのインテークホースを外したところ

RY(赤黄)がM/Cの線、オルタネーターのB線・L線と抱き合わせ

写真では分かりずらいですが被覆に傷が入っており、芯線が2・3本でつながっている状態でした。


今回はM/Cに行くハーネスを揺さぶってM/Cが一瞬つながるのを確認しながらやっと見つけた個所ですが、エンジンの振動で振られたにしては今まで見た事のない損傷具合でした。断線した原因は振動だけではないのかも知れません。

あとは配線修理をしハーネスに収め、元どおりにまとめて完成させました。



と、ここまでは昨年の話ですが・・・

次回につづく。

2020年5月10日日曜日

エアコン不具合の点検について (ブルーテックキャンター編)

そろそろエアコンもシーズンインに向かい本格稼働する時期になってきましたが、不具合時の点検個所と修理内容を紹介します。

症状としては、A/Cスイッチを入れても冷たい風が出てきません。
先ずはトラブルシュートで電気回路か機械的なものか切り分けて点検する必要があります。

ブルーテックキャンターはコンデンサーファン(左ヘッドライト裏側)が回らないケースがたまにありますがこの場合、バッテリーケース前方のフューズボックス内にあるコンデンサーファンモーターのフューズ(20A)が切れている場合がほとんどです。

ハイカレントフューズボックス


原因をディーラーに問い合わせたところ、何かの拍子に過電流が流れフューズの容量を超えてしまう場合があるとのことです。ファンモーターが回るとき一瞬ですが約20A近く(実測値)電流が流れますので、繰り返し突入電流が流れる事による疲労溶断も原因の一つではないかと思われます。


これから暑くなってきますのでシーズンイン前にフューズを交換してしまうか、予備のフューズを準備しておくと良いかもしれませんね。


つづく